しんちゃんハウス南林間

「こどもの居場所」「地域のみんなの居場所」をレポートするにあたり、代表的な例として大和市にある「しんちゃんハウス」をご紹介します。

しんちゃんハウス
大和市「しんちゃんハウス」(子どもの居場所)
館合みち子さん
代表の館合みち子さん

認定NPO法人 地域家族しんちゃんハウスが運営する居場所は3カ所ほど。訪問した南林間の「しんちゃんハウス」は小学校から徒歩5分ほどの住宅地の中にあります。
玄関からバリアフリーで、畳のスペースもあり、2階には専用キッチンとダイニングが。地域の交流を意識して作られた2階建ての一軒家です。

この居場所はだれを対象にどうしてつくられたのですか?

地域で困りごとを抱えた人、子どもからお年寄りまでがいられる場所を作りたかったのです。

実は私の子どもは10歳で交通事故に遭い、重度障害(高次脳機能障害、四肢麻痺)を負いました。退院して帰ってきたときに暮らせるような家をこの場所で作ろうと考えていました。その子が「しんちゃん」です。重度障害児となり入退院を繰り返しましたが、事故から3年半生き、小学校に戻り中学にも行けました。その時、地域の様々な方にお世話になり、障害児を含めたみんなで過ごせる場所を作りたいと思ったのです。

しんちゃんハウスはどんな人たちがどう利用しているのでしょうか?

午前中は未就園児と保護者が来ます。ここは地域のおかあさんのためのホッと一息つける「場」になります。午後からは放課後児童クラブとして、小学校の学童が来ます。障害児も受け入れています。毎週月曜の朝は子ども一人でも安心してくることのできる子ども食堂として朝食を出しています。月1回、認知症カフェも開きます。専門職も入り地域の高齢者の居場所として笑顔があふれています。そのほか相談を受けていますので、障害を含め子育てにまつわる様々な困りごとを抱えている方が来ます。

また子育てにまつわる情報発信や啓発も必要かなと考えて、地域のラジオ局FMやまとで「すてきな子育て」という番組も持っています。子育ての気づきやヒントを発信しています。

「みんな一緒に過ごす」ために、大切にしていることを教えてください。

居場所や相談、食の提供を通して、地域の人たちが親子を見守り、みんなが笑顔になることを大切にしています。食って大事なんですよ。ですからしんちゃんハウスの2階には大きなダイニングがあります。地域の人たち一人一人が家族のように安心して過ごせるようにと、活動を続けているんです。

お話を聞いて、しんちゃんハウスの多様な活動の裏には館合さんの抱えた大きな動機と、さまざまな地域の人たちを受け入れるための、ご自身とスタッフさんの細やかな配慮や声掛け、ニーズ(地域の人たちのお困りごと)に合わせたフットワークの良い動きがあるのだと思います。

そして舘合さんは、何でも話せて頼れる「地域のお母さん」といった感じ。良い居場所にはこうした 「場を育てる人」の存在が不可欠なのだと思えます。

けれども物理的な「専用の居場所=場所」の確保と運営には資金が必要です。 「しんちゃんハウス」を重度障碍児を受け入れる学童保育の場として認め、補助金事業とした大和市も、子育てや地域支援に厚いまちなのだと理解できます。安定した行政からの資金が見込めるからこそ、いろんな人が立ち寄れるユニバーサルな建物が可能になり、様々な世代の人が寄りあえる運営になっているのでしょう。

しんちゃんハウスプレイルーム
親子の居場所

子どもたちや親子の居場所として、高齢者のカフェとして、しんちゃんハウスは地域の人の「ほっとできる、頼もしい場所」なのだ、と感じられました。

地域家族しんちゃんハウス 南林間
大和市南林間7-1-15
046-275-7955
HP:https://www.shinchanhouse.com/

投稿者:CanCan

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