レンバイ(鎌倉市農協連即売所)は誰でも買える鎌倉野菜100%の市場です。レンバイ農家と長年のお付き合いがあるコソガイが詳しく解説、オススメの「鎌倉野菜」の買い方をお伝えします。
鎌倉野菜の市場=レンバイ
レンバイとは
鎌倉駅から徒歩3分、下馬交差点近くにある「鎌倉市農協連即売所」、略して「レンバイ」は鎌倉のファーマーズマーケット。日替わり交代で、市内(旧鎌倉郡である横浜市長尾台を含む)の農家が自分で作った新鮮な「鎌倉野菜」を自分で売っている、誰でも気軽に買える活気ある即売所です。
いささか年季の入った建物内で、簡易台の上にシートを引いて野菜を広げたちょっとそっけないブースがいくつも。でも新鮮さ、生産者の顔の見える安心感はいっぱい!なんです。
■鎌倉市農協連即売所(レンバイ)
鎌倉市小町1-13-10
Tel.0467-44-3851(JAさがみ連絡代行・即売所内に電話はありません)
レンバイの仕組みと営業内容
レンバイは昭和3年に外国人宣教師によって仕組みが伝えられ、以来、農家自身の手によって運営されています。
- 地元の人、レストランのシェフ、観光客など、誰でも鎌倉野菜が買える。
- 営業は年末年始を除く毎日、8:00~日没まで。野菜がなくなったら終了。
- 加入農家は5~6軒ずつ1班から4班に分かれ、班ごと日替わりに出店。
- 各班は4日に1日の出店なので、曜日は毎回異なる。
- 班内では、農家ごとに別々のブースを出店。位置は反時計回りに毎回交代。
- 農家が作る漬物やピクルス、花も売られている。
- 農家ごとに扱う品が異なるため、班によっても特色がある。

野菜もその加工品も、それぞれの農家が独自に作るから、種類や量、作り方も味も別。ブースによって売ってるものが違うんだ~。
まさに採れたて!
通常、野菜の流通は青果市場と仲買を通して店頭に並ぶまで4日ほど掛かります。レンバイでは、前日または当日朝の採れたて野菜を農家が自分で持ってきて売るので、鮮度がまるで違います。
作り手の顔が見えます
農家自身が売り子もしていますから、販売のプロとは違い、そっけなく感じるかもしれません。その代わり、野菜の名前から使い方、育て方など、お客さんと直接お話しできます。それぞれの農家に常連のファンが付いているのもうなずけます。
1つのブースは、いわば1軒の八百屋さん。だからブースごとにたくさんの種類の野菜をおいています。漬物やピクルスなど加工品を置くところも。もちろんそれらは全て自家製です。
「この野菜はなに?」
「どうやって食べるの?」
「この間の、あの野菜はおいしかった!」
カラフルな野菜だけではなく、消費者と生産者がそんな会話も交わせて、なんだか楽しい。鎌倉の多くのレストランはレンバイで野菜を仕入れています。「こんな野菜を作って」というシェフや消費者の声で、農家は新たな品目の野菜作りに取り組むこともしばしばあるんだって。
レンバイと農協の関係
「鎌倉市農協連即売所」と名前に「農協」が入っているため、農協(JA)の市場と思っている人が多いかもしれません。でも実際は、戦後に発足した農協よりもレンバイの方がずっと歴史が古く、レンバイの運営に農協は関わっていません。
ただし、レンバイに参加している農家達は農協の組合員でもあります。レンバイには電話がないことから、さがみ農協玉縄支店に連絡の代行をお願いしてきました。JAさがみに統廃合された現在でも、連絡先としてそちらの番号が残されています。
レンバイでのお買い物のコツ

花を買いたいときは1班、レストランが使うようなカラフルでめずらしい野菜を買う時は4班という風に「なじみの農家」の班を、確かめてお買い物。班の出店日は農協連即売所HPのカレンダーの数字で確認できるよ。

開店は8:00前後。珍しい野菜を求めて朝9時頃までにレストランのシェフなどプロが、スゴイ量を買っていくの。10時以降は私たち一般の消費者が増えて観光客の姿もちらほら。夕方まで開いてるけど売り切れたら終わり。できるだけ朝早めに行くのがオススメ。

スーパーの野菜と同じくらいの量と値段でお手頃。ただ、スーパーのようにいつでも同じものがあるわけじゃないから注意してね。

たくさんの種類を買ったら使い切れないという人向けに数種の葉物や根菜を束にした「ミックス」を出す農家もあるの。食べきれる量でいろんな種類が取れて、料理の手間も省けるありがたい商品ね。

葉ものミックス

根菜ミックス

駅から近いし、地域の人なら歩きか自転車が便利。駐車場はないけど、2軒ほど駅よりの東急の駐車場か、JRの線路わきのコインパーキングが有料だけど利用できるよ。

レンバイは私たち消費者がだれでも気軽に行けて、いろんな種類の新鮮な野菜を生産者の顔を見て買える、楽しい「鎌倉野菜の市場」です。鎌倉にはそのほかの市場もありますが、全品が鎌倉野菜100%の市場はレンバイだけ。覚えといてね。
レンバイ以外の販売場所
直売スタンド
市内の農家が作った鎌倉野菜を、門の前などに設置した無人スタンドで売っています。料金をスタンド内の料金箱に入れて、お目当ての野菜を買います。コインロッカータイプなどもあるんですよ。
スーパー
市内のスーパーでも鎌倉野菜の販売コーナーを設けているところもあります。一般の野菜と同程度の価格です。
- フジスーパー大船店:鎌倉やさいコーナーがあります。トマトが絶品。
- イトーヨーカドー大船店:鎌倉野菜の特設コーナーがあり、カラフルな野菜から普段使いまで置いています。
- 相鉄ローゼン深沢店:地場野菜コーナーで、珍しい葉物野菜などを少量置くことがあります。
- コープ西鎌倉店:青菜とか大根とか。普段使いの鎌倉野菜を置いています。
通信販売
レンバイとしての通販の仕組みはまだなく、直接買いに来られない方のために、複数の農家が集まって検討しているところです。なお、レンバイで購入した野菜を転売して発送する業者は別に存在するようです。
そのほかの市場について
鎌倉中央市場
同じ建物内ですが、レンバイとは別の運営です。パン屋とかケーキ店とか、焼鳥屋とかユニークな「加工品」の店舗が数軒入っています。
鎌倉青果市場
レンバイとは全く別の運営の鎌倉市の深沢地域にある青果市場。八百屋が市外から野菜や果物などの農産品を仕入れるために始めたと言われています。一般の人はこの市場では購入できません。ほとんどは青果売買のプロが選んだ市外産の青果で、「鎌倉いちばブランド」という名で卸され、市内の青果店で売られています。だから「鎌倉いちばブランド」の野菜は、鎌倉野菜ではありません。この市場への鎌倉野菜の入荷は少なく、その際は鎌倉やさいと記した青い青果用のテープに巻かれて出されているようです。
鎌倉野菜について
鎌倉野菜とは
鎌倉で作られた野菜。消費者に早く届く新鮮さ、豊かな土壌と農家の技術に培われた種類の豊富さ、味の良さ、見た目の鮮やかさで知られます。

鎌倉野菜が買えるところ
そのほとんどが仲卸を通さず直接販売されています。多品目を少量ずつ生産しているため、出回る量は少なく、購入できる場所は限られています。畑周辺の直売所や無人スタンド、農家と直接契約している近隣のスーパーなどで売られています。
中心は何といってもこのレンバイ。通年で販売される鎌倉野菜の種類や量は市内最大級です。日本料理はもとより、イタリアン・フレンチなどのレストランのシェフが生産者に直接会って購入していきます。消費者の声を反映した野菜を手掛ける農家も多いです。
鎌倉野菜の七色畑
ダイコンやきゅうりなどの定番の新鮮野菜から、サラダ向けのルッコラ、からし菜、葉マスタードなどの葉物、10種類以上のレタス、黄色・オレンジ・えんじ各色の人参やダイコンなど、珍しいカラフルな野菜まで。農家は年間20〜120種類も!の野菜を出荷。レンバイでは1年を通して出荷が途切れないよう少量多品目を生産している農家が多いのです。
鎌倉の畑は1畝2畝ごとにニンジン、大根、カブなどのいろんな種類を植え、多種類を同時期に育てます。そんな様子は「鎌倉の七色畑」として知られています。
鎌倉野菜のブランド化
1990年代半ばから、鎌倉市と農家とJAが連携して鎌倉の農産物のブランド化を始め、当初は「鎌倉ブランド野菜」と名乗って売り出していました。
コソガイ代表の入江は、2005年頃に農家さんと一緒にミーティングに参加して「鎌倉野菜」という名前を提案しました。さらにブログ「鎌倉野菜物語」を立ち上げて、鎌倉の農家の取り組みや個性豊かな野菜たちを紹介しました。
その後は有名レストランでも「鎌倉野菜」を謳い、こぞって使われるようになっていきました。「鎌倉野菜」は鎌倉産農作物のブランドとして、今では広く知られています。
鎌倉野菜物語
畑の様子や種類ごとの野菜の話はコソガイが運営する「鎌倉野菜物語」を見てね。「鎌倉野菜」を初めてネット上で紹介して、「鎌倉野菜」の名を世に知らしめたブログですよ。
記事作成:2020年03月14日
一部更新:2020年05月15日
一部更新・加筆:2021年04月10日
加筆更新:2022年04月09日
投稿者:CanCan
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