鎌倉今泉台に「6丁目クラブ」という、手作りランチとコーヒーの店があります。その名のとおり今泉台6丁目の公園の前の眺めの良い民家のカフェ。さまざまな人が集い、寄り合える居場所となることを目指し、近所の4人の住人が中心となって、昨年11月から非営利で運営を始めたコミュニティ・カフェなのです。
コミュニティ・カフェ「6丁目クラブ」の看板のある青いお宅の玄関で靴を脱いでお店に入ると、窓からやわらかな緑が目に入ります。スタッフの「いらっしゃいませ」の笑顔とともに、時々お客さんからも「こんにちは」といったお声掛けもあったりします。
室内にはアンティーク風な机といすがあって、誰かと同席でもちょっと楽しい。日替わりランチは地域の食材を使った目にも体にも「やさしい」味のボリュームたっぷり目ごはん。ほとんどはご近所のお客さま。「おいしい」「また来るね」との話も聞こえます。スタッフの配慮でしょうか、知り合いのおうちに立ち寄ったように「ほっとできる」どこか、なつかしい雰囲気です。
実はコソガイ(鎌倉子育てガイド)が、このお店にかかわったのは立ち上げの時から。鎌倉の中でも少子高齢化率が伝えられる今泉台は、以前から住人同士がお互いさまの精神で様々な助け合いをしてきた地域でもあります。そんななか、近隣の特別養護老人ホーム「ふれあいの泉」が助け合いや福祉の拠点にと、地域居場所事業「寄り道」を4年ほど前に始めました。「ふれあいの泉」の福島 総施設長と、支えようとする地域の人たちの姿に引かれて、私たちも交流してきました。
残念ながら「寄り道」の試みは福島 総施設長の死去とともに2年ほどで終わりを告げましたが、支えてきた人々が、「今度は自分たちの手で!」と志を受け継ぎ、故人のご主人・福島氏を代表に、民家を借りてコミュニティ・カフェ「6丁目クラブ」運営を始めたのです。私たちは開設準備や広報の部分でお手伝いし、プロジェクトがスタートして約1年。皆さまの笑顔を見て、地域の方の居場所になれているんだなあ、との確信を得た今、レポートとしてご紹介できる運びとなりました。(早くにご紹介できなかったのは、お客さまやスタッフの落ち着き方を待っていたためなんです。初期に大勢を受け入れるのは難しかったようなので(^^ゞ)
こんな人と人とを結び、情報発信をする場としてのコミュニティ・カフェは全国的に増えています。お店は食事提供があるところもないところもあります。飲み物は自分で取ってくるドリンク・バー形式で持ち込みは可だったり、飲み物代を払えば一日いられる、サークルや集まりもOKなど、形態はさまざまですが、情報発信、イベントや展示販売、趣味の活動、ボランティアの会合、相談ができる福祉など様々な活動の拠点ともなっています。
共通点は、飲食を通して居場所を作ろうとしている点。お隣の藤沢市などは多世代が立ち寄り、相談できる地域の居場所=「縁側」として、公共施設や民家などを活用し、地域の課題解決の活動として、こうした試みを資金的にも支えようとしています。(2017年現在、鎌倉市にはこの支援はありません)。
さまざまな世代が飲食を通していられる場所。ここでの会話や情報交換を通して、繋がりや支えあいが地域で再び生まれようとしています。コミュニティ・カフェ「6丁目クラブ」は小さな子ども連れから学童、忙しい大人や高齢者が立ち寄り、さまざまな人が緩やかにつながっていくようです。赤ちゃんを連れてらしたご夫妻に80歳以上の高齢者がお声をかけて皆が元気をもらったり、一緒に歌を歌ったり、しばらく会わなかったご近所同士が食事に来て再会し会話が弾むのは、ここではよくあること。でも考えてみれば、本当にステキでありがたい光景ですよね。
そんな居場所で生まれる笑顔が、鎌倉中に、日本中に広がるといいな、と心から願っています。
■6丁目クラブ 6+cafe鎌倉市今泉台6-1-9 鎌倉市今泉台6-14-10467-50-0147 0467-91-7300
>>https://www.facebook.com/6chomeclub/
投稿者:CanCan
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