カトリック由比ガ浜教会

IMG_4671伝統ある寺社仏閣が多い鎌倉ですが、キリスト教教会も少ないわけではなく、以前から布教活動が行われてきました。
こちらのカトリック由比ガ浜教会の設立は今から約100年前。1913年、パリ外国宣教会によって建てられた、鎌倉で一番古いカトリックの教会です。鎌倉駅から海に向かって歩き、「六地蔵」と呼ばれる辻(交差点)から西側の細い路地を入ってすぐの静かな住宅地に建っています。

IMG_4653教会の建物は関東大震災で一度損壊しましたが、1928年(昭和3年)に本格的な聖堂と司祭館が新築されました。以来幾度かの改修を経たものの現在まで続き、白とさわやかなブルーの外壁、木の構造と石の内壁、シンプルで手作り感のあるドイツ製のステンドグラスなどを有しています。その外観は落ち着きと神聖さとともに、見る人にチャーミングな印象を与えます。教会裏手の信徒会館も古い木造の温かみのある建物です。

IMG_4650当初は海外から司教が赴任していましたが、現在はカトリック横浜教区の邦人司祭が司牧しています。毎日曜にはミサが、折々に宗教行事が執り行われ、市内や周辺の信者が集まります。
そのほかにも聖書を学ぶ会や、コーラス、バザー、こどものための行事など様々な活動が信者によって日常的に営まれています。また不定期にコンサートが開かれることもあります。関係する音楽家が参加されるのでしょうか。ミサでの音楽もですが、聖堂の高い天井、壁から心地よい響きが広がります。
yuigahama6こうした教会の姿に触れると、長い歴史も厳粛さの中の暖かい雰囲気も、まさに司祭と信者の日々の営みによって維持されてきたのだなあと理解できます。

夏の日、この聖堂での結婚式を拝見しました。入口には新郎新婦の手作りの招待状が、通路には赤いじゅうたんが、ベンチにはブーケとリボンがかざられ、教壇脇に大きな生花が活けられていました。そんな「教会の準備」は信者がされるのだそうです。親族と友人が参列し、司祭によって執り行われた式では、オルガンと20名近くの教会聖歌隊によるコーラスが美しく響き、神と人の「祝福」を静かにじわっと感じました。

<ミサ> 毎週日曜日10時~

<宗教行事> 復活際、クリスマスなど

<結婚式>
キリスト教に基づく結婚式を教会行事のない土曜日に執り行っておられます。宗教の精神を理解された方で、初婚(再婚の場合は要相談)の方、結婚講座(無料)をそろって受講できる方等の条件があるものの、信者ではなくてもお引き受けくださるそうです。
費用や受付などの詳細は直接お問い合わせください。
カトリック由比ガ浜教会ホームページ

※教会は祈りの場です。訪問、見学、行事への参加、結婚式のお申し込み、お問合せ等は、どうぞそのことをご理解の上でお願いいたします。

カトリック由比ガ浜教会
 鎌倉市由比ガ浜1-10-35(JR鎌倉駅より徒歩約8分)
 0467-22-2269(司祭館事務所)

投稿者:CanCan


<カトリック由比ガ浜教会 結婚式体験談>

yuigahama2妻が過ごした大学時代の講堂に似ている教会で挙げたい―。秋晴れの2011年10月下旬の鎌倉、カトリック由比ガ浜教会で、家族だけを招き、ささやかながらも厳かな結婚式を挙げた。
出来ることならば、好きな街である鎌倉で。古い建築物が好きな妻のために初春ごろからインターネットで探した。彼女の要望は、こぢんまりとしていて雰囲気のある、すてきな教会で挙げたいとのこと。

調べていくうちに、いくつかの教会を見つける事ができたが、ほとんどの場合、信者ではない人の挙式の際は、毎週末に行われる事前勉強を複数回こなす必要があった。当時千葉に住み、互いの仕事から毎週末を休みにする事ができない。そんな制約がある中だったが、二人にとってぴったりの「カトリック由比ガ浜教会」を見つけることができた。すぐに電話をかけ、翌週には訪問してみた。

駅から教会までの道のりは、小さな商店街を歩き10分程度。遠くなく、近すぎず、閑静な住宅街の中にあり、イメージ通りだった。教会の中を見学させてもらい、その日のうちに挙式の日取りなどを相談。挙式は土・日のみの受け付けだったが、妻の誕生日がちょうど空いていた。「絶対忘れないだろう」、その日程でお願いした。

yuigahama59月下旬から結婚式当日までの約1カ月間、全4回2人で教会に通った。神父さまからカトリックでの結婚観についてのお話を受けたり、聖書の一節の朗読、二人の馴れ初めなどを話した。結婚20年以上のベテラン夫婦から、夫婦生活成功の秘訣を聞いたりもした。結婚式を担当する教会の女性からは、当日の結婚式の流れや、賛美歌など何を演奏してもらうか、いままで式を挙げた人がどういう流れで、どのように行ったかを丁寧に教えてもらった。

迎えた結婚式。前日は教会近くのホテルに泊まった。衣装は、都内の衣装屋さんからドレスやスーツを式場へ直接送ってもらう段取り。ブーケやブートニアは知り合いの作家さんに作ってもらい、これも届けてもらった。教会の隣にある講堂を控え室として貸していただけるので、着替えはここで出来る。当日は式の前に一度リハーサルを行った。ちょっと間違えたりもしたけど、逆に緊張感がほぐれて、いざ本番へ。

式を終えた後は教会の外で記念写真を撮影(私の職業はカメラマンなのだが、実は職場の先輩に当日カメラマンをお願いした)。その後、「オステリア・ジョイア」というレストランを貸し切りにしてもらい、親族のみ10人で食事会をした。料理もおいしく、話もお酒もすすんだ。

費用は20万円+お花代など。バージンロード沿いに飾る花など、簡単な装飾は教会が無料で用意してくれた。また、多くの信者(20人ぐらい)の方が来て、賛美歌を歌ってくれるなど、とてもお世話になった。大仰なことは何もしていない。だが、この規模だったからこそ、色々な方の親切を実感し、ありがたく思えたのかもしれない。

投稿者:Higashi-mikuni

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