由比ガ浜こどもセンター ADDS

IMG_3107昨年11月に竣工した「由比ガ浜こどもセンター」。4階建ての建物には、子育てアドバイザーが常駐し親子が過ごせるフリースペース「子育て支援センター」や鎌倉市立由比ガ浜保育園があるほか、3階には放課後デイサービスと児童発達支援の施設が設置されています。

集団写真児童発達支援? 聞いたことあるような言葉の組み合わせですが内容はあまり知られていないかもしれません。知的障害、心身障害、重度心身障害児、発達障害やその可能性のある未就学の児童などを対象とした早期の療育(療養と教育)のための通所型サービスをさします。障害児向けの幼稚園のような、あるいは塾のような、未就学の障害児に向けた福祉の通所サービスです。

由比ガ浜こどもセンターではADDS Kids1st鎌倉(エー・ディー・ディー・エス キッズファーストかまくら)が運営を行っています。

IMG_3113ここでは利用者の安全性の確保のため、建物内に入る際はインターフォンで対応してもらうことが必要です。エレベーターで3階へ。そこには障害児に対応したバリアフリーのフロアに、広いフローリングの活動スペースとかわいい椅子のある個室がいくつか。ADDSは、早期の療育の開始は児童の可能性を広げるという考えから、応用行動分析の研究成果に基づいた独自のプログラムをこちらで実施しています。児童発達支援として子どもの特性を把握して「できること」を増やしていくのです。

ぺあすく写真週5日(火~土)の営業で、個別指導は1コマ1時間20分。受講時間からは幼稚園というより、集中型の個別塾という感じなのかもしれません。このプログラムでは子どもの特性把握のためのチェック項目は630!にものぼるそうです。様々な角度から子どもの特性やできることとできないこと、強みまでも見通してトレーニングを行い、親子でのコミュニケーションの取り方などを指導するのだとか。暮らしの中での育ちを大切に、1家庭に1セラピストがついての週1回の保護者ともどもの学び「ぺあすく」も用意されています。

もともと発達障害やその可能性のある子ども向けに開発されたプログラムのようですが、多様な子どもたちに応用可能だそうで、バリアフリーの建物を活かして肢体不自由児、重度の心身障害児童も受け入れているとのことです。

IMG_3116今回インタビューに応じてくれたのはADDSの竹内さんと鎌倉担当の小菅さんです。竹内さんは学生時代のアルバイトで発達障害のある子どもとその母親とかかわりを持ったことをきっかけとして、発達障害や応用行動分析の研究の道に進み、障害児支援の先進であるアメリカのメソッドなどにも触れ、NPO法人を立ち上げて研究成果に基づくプログラムの実践を積み重ねてきたのだそうです。長年、学校図書室司書をされていた小菅さんは、校内でトラブルが多い発達に心配のある子たちの支援をしたいと模索するうちにADDSの療育プログラムに出あい、指導員者になったのだそうです。

ADDS Kids1st鎌倉は1~6歳(未就学児)の発達障害あるいはその可能性がある児童、重症心身障害・肢体不自由がある児童・医療的ケアが必要な児童を対象としています。利用料は児童発達支援利用料と保護者向けのテキスト代(だいたい月数千円程度、詳しくはお問い合わせを)のみ。落ち着きがない、感情の起伏が激しいなど集団になじみにくい子どもの存在が話題になることが多い昨今、児童発達支援の制度が整い、リーゾナブルな料金で早期にこうした施設を活用できるのは、特別な支援を必要とする子どもと親の「子育て」や親の育ちの助けになります。ADDS Kids1stへの見学や相談希望の場合は、事前にコンタクトをとることをおすすめします。

由比ガ浜こどもセンターの同じフロアにはこの児童発達支援事業ADDSの他に「ミライエ」の運営する放課後等デイサービス(障害児の放課後や長期休暇中の学童保育)も設置されています。双方のコラボによって連続性のある障害児サポートが期待できそうです。

児童発達支援ADDS Kids1st鎌倉
鎌倉市由比ガ浜3-11-48 由比ガ浜こどもセンター3階
対象:1~6歳(未就学児)の発達障害あるいはその可能性がある児童、重症心身障害・肢体不自由がある児童
定員:10人
交通:送迎あり(市内)
利用料:児童発達支援利用料とテキスト代
(だいたい月数千円程度、詳しくはお問い合わせください。)
Tel.0467-61-6615

投稿者:CanCan

コメント