鎌倉・関谷在住で3児のワーキングマザーの臼井さんは、この夏、「千倉グローバル子供交歓会」を実施しようと動き出しました。これは、臼井さんの出身地の千葉県の千倉で外国につながる子どもたちを招いて、現地の子どもたちとともに、言葉や国境を超え、自然を感じながら、思い出に残る国際交流体験を提供しようという、愛と希望と夢いっぱいのプロジェクトです。臼井さんは少し前からコソガイを手伝ってもらっています。私たちもこのプロジェクトを応援しようと動き出しています。
臼井さんはシリアの悲惨な状況を知り、何とか支援できないものか、できる支援は何なのかと、難民支援セミナーに参加しました。そこで兵庫県にシリア人をサポートする団体(NPO法人日本アラブ相互文化センター)があり、その団体で、子どもの日本でのホームステイ先を探している!という情報を得たのです。それならその子たちを千倉のグローバル子ども交歓会に招待しようと考えました。
臼井さんの出会ったシリア人、イマムさんのお話です。
日本で暮らすシリアなどの難民の子どもたちの現実
兵庫県にくらすシリア人のイマムさんは5〜12歳の4人の子の母親で、2015年に日本で働く夫を頼って、内戦の恐怖から逃れるため子どもをつれて来日しました。現在は3木市の団地に家族や他のシリア人とともに暮らしています。
首都ダマスカスでエンジニアをしていたのですが、数年前から自宅周辺にも爆弾が飛んでくるようになり、出勤途中の道路や子どもの通う学校の前にも爆弾が落とされる状況で、内戦で親戚も亡くし、行方のわからない身内もいるのだそうです。話を聞くと、本心ではシリアに帰りたいと思っているが、今は帰れない。日本で生活をすることに決めているようです。
子どもたちは言葉も、生活環境も食べ物も全く異なる地にきて、地元の小学校に通って日本で生まれた子とともに勉強し、生活をしています。言葉が通じない中、見た目の違いや、連日のシリアに関する報道により、嫌がらせをうけたり、喧嘩をしたりなどで、元気がないときもあります。
そんな子どもも、今一番頑張っているのは日本語の勉強。最初はひらがな、カタカナ、漢字など難しかったけど、どんどん慣れてきています。心境の変化も見られて、「子どもも日本語を勉強しているから、帰ってもアラビア語が難しい。ずっと日本に住みたい」。そして「仕事がしたい」。日本での将来を思い描いています。
一方の千倉のまちの様子です。海と緑があり豊かな歴史文化を持ち、人と人とが近い町でありながら少子高齢化が進み、さまざまな課題が見えているようです。どこか将来の鎌倉を見るようだと感じるのは、私だけでしょうか。
少子高齢化の進む南房総・千倉のまち
グローバル子供交歓会を開催する千倉は千葉県の南端、南房総市にあり、外房の海と山に囲まれ、南房総の中でも、昔ながらの房州ののどかさを残すまちです。30年前の私が小学生だった頃、千倉には小学校が4つありましたが、少子高齢化のもと、統廃合が進められ、千倉小学校が残るのみとなりました。そのため、全児童が、スクールバスで登校することになり、これまで朝夕に通学路を通ることで触れ合っていた地域のおじいさんやおばあさん、田んぼや花畑などでの地域の自然との交流も減ってしまいました。
臼井さんは続けます。
わたしも留学時代「外国人」として暮らし、ラオス、カンボジア、ベトナム出身の移民の友人家族に支えられました。この経験から、いろいろな文化や人々との出会いや「つながること」が大切だと知ったのです。 だからこの夏、千倉で、子どもたちと、そして、地域に暮らす人たちと、一緒にご飯を食べたり、遊んだり、ビーチでサッカーをする中で、肌でそれらを体験する場をつくりたいんです。場所や環境が違うが同じ時期に生まれた子どもたちと、共に体験し、笑い、楽しむことで、絆と理解が生まれ、千倉が第3のふるさととなればいいと思います。
臼井さんのこのプロジェクトは、現在クラウドファウンディングを利用して資金を募っています。シリア難民の子どもたちを兵庫県から千倉に招待する交通費が必要だからです。シリアから避難してきた子どもたちに、「日本の夏休み」の思い出をたくさん作ってほしいな、と心から願います。
どうぞ皆さんで、この愛と夢いっぱいのプロジェクトを支援してください。
■レディー・フォー
https://readyfor.jp/projects/cgc2017
投稿者:CanCan
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