年末年始には募金活動を目にすることが多くなります。クリスマスや歳末助け合いがよく知られていますが、今回は世界の医療団というフランスに本部をもつ認定NPO法人から、サポートと活動紹介のお話がありました。私たちから遠い国々でも確かに医療支援を展開する同NPOの仕事を、より多くの方に理解いただけたらと、コソガイでもご紹介します。
「世界の医療団」は支援を必要とする世界中の国に医療・衛生分野の専門スタッフを派遣し、人道支援に取り組む国際NGOで、それぞれの地域の環境やニーズに合わせて多様な支援プロジェクトを実施しているのだそうです。紛争や自然災害等の緊急時の対応だけでなく、現地の医療システムの構築など中長期の支援を得意として、国籍、人種、民族、思想、宗教等のあらゆる壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援をしているそうです。
今回はラオスでの活動。同国は東南アジア内陸部に位置し、タイ、ベトナム、中国、カンボジア、ミャンマーに囲まれた小さな国です。
ラオスでは、5歳未満の子どもたちの死亡率が周辺国と比べて高く、医療基盤が整備されていれば治療可能な下痢や肺炎などで、助かるはずの命が失われている状況がありました。その背景には、特に農村部において、住民の健康や衛生についての意識の低さ、経済的な理由による医療の未受診、また、医療スタッフの知識や経験の不足、などの問題があったのです。
このような問題に対して世界の医療団は、①医療スタッフを育成すること、②健康についての住民の意識を変えるための啓発をすること、③5歳未満児への医療費無料化政策を支援すること、④医療施設の設備や器具などを整備すること、の4つを柱にして活動を続けてきました。
その結果、2012年には地域の5歳未満の子どもたちのうち約4〜5人に1人(延べ人数)しか外来を受診できなかったのに対し、2015年10月末時点で1人1回は外来を利用できています。(現地保健局データより)これはとても大きな成果です。
5歳未満の子どもたちが医療を受けることは、病気にかかりやすいこの時期を生き抜き、将来にわたって丈夫な身体をつくるうえで大きな意味を持ちます。子どもたちの健康を守ることは、将来、この国を担う人材を育むことであり、ラオスという国の未来を支えることなのです。」
世界の医療団は各国政府の外交政策に左右されることなく支援活動を続けるために、国連、各国政府など公的機関からの援助を35%以下に制限し、「中立性」を担保しているのだそうです。世界情勢が騒然として、支援のつもりが仇となることもありうる昨今、地道で息の長い、地域の「人」を育てる活動は重要で、だからこそ冷静に配慮して行われているのだ、と感じます。遠く離れた地に居ながら未来に向けて世界中の人々とつながるために、こうした「顔の見える、人とつながるプロジェクト」を支える大切さを感じました。
※世界の医療団へは同サイトからクレジットカードで寄付ができます。
■認定NPO法人 世界の医療団(メドゥサン・デュ・モンド ジャポン)
住所:東京都港区東麻布2-6-10麻布善波ビル2F
電話:03-3585-6436
Email:info@mdm.or.jp
URL:http://www.mdm.or.jp
投稿者:CanCan
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